五省について
五省(ごせい)
一、至誠に悖る なかりしか
〔誠実さや真心、人の道に背くところはなかったか〕
一、言行に恥づる なかりしか
〔発言や行動に、過ちや反省するところはなかったか〕
一、氣力に缺くる なかりしか
〔物事を成し遂げようとする精神力は、十分であったか〕
一、努力に憾み なかりしか
〔目的を達成するために、惜しみなく努力したか〕
一、不精に亘る なかりしか
〔怠けたり、面倒くさがったりしたことはなかったか〕
海上自衛隊 幹部候補生学校
https://www.mod.go.jp/msdf/mocs/mocs/tradition/gosei/index.html
この「至誠に悖る なかりしか」から始まる五省(ごせい)。どこかで聞いたことがある人もいるかも知れません。
旧大日本帝国海軍の士官学校である海軍兵学校(現在は海上自衛隊 幹部候補生学校)において用いられていた訓戒で、現在も海上自衛隊において、日々の行動を自省する標語として用いられているそうです。
そう聞くと軍国主義的色合いが感じられ、敬遠されるかたもいらっしゃることでしょう。ただ、その内容を見てみると、日々の生活を送るにあたって「なるほど」と思うかたもおられるのではないでしょうか。
日常での活用方法
ここ数年日記をつけており、その時に一日を振り返る視点のひとつとして、「五省」がとても役に立っています。
海軍兵学校のときは毎日暗唱したり、当番が唱和し問いかけ、その他の生徒は瞑想しながら自省自戒していたそうですが、流石にそんなことはしていません(笑)
私は丸暗記もできておらず、ざっくり活用しているレベルです。
日記は3行日記に近いもので、主に以下の3点を簡潔に(箇条書きのようなカタチで)書いています。
日記に書くポイント
- 簡単な振り返り(行動メモ)
- 良かったこと
- 良くなかったこと
※週に1回、1週間の総括(今度からこうしたい!と前向きな目標に変換)
「振り返り」は行ったこと・主に記憶に残っていることを、感情を交えずに事実だけを書いています。
「良かったこと」「良くなかったこと」を書く際、以下を思い浮かべて振り返りながら書いています。
五省(意訳)の活用
- 今日は誠実に、謙虚に過ごせたかな?
- 他人に見られて恥ずかしい言動はなかったかな?
- 努力したかな?怠けたりしなかったかな?
- やることはやりきれたかな?
五省を自分なりに意訳して使っていますが、こう見ると、軍隊に限った話ではないのではないでしょうか?
一日の終わりに内省する際、なによりも「人としてどうだったか」という原点で振り返ることができると思います。
まとめ
個人的な想いとして、一日一日を大切にしたい、後悔のない日々を送りたい。
不慮な事故などで、明日からいままでのような生活が送れなくなってしまうかもしれないし、最悪の場合、人生が終わってしまうかもです。
毎日、一日一日を大切に、やり残したことがないようにと思っています。
そんなことを考えている時にこの五省を知り、自分にもピッタリだと思いました。
今日あれをしておけば、あの時こうしておけば…といった後悔を少なくしたいです。
もちろん無くすことはできないんですけどね(笑)
日々を振り返って明日に活かしていきたいですし、今日は一日頑張った!やりきった!と、悔いを残さないよう一日を前向きに終わりたい。
「明日の自分に恥じない、生き方をしよう」がモットーです。
補足
五省は昭和7年、当事の海軍兵学校長「松下 元(はじめ)」少将によって、朗唱する制度が採用されたそうです。
戦後に来日したウィリアム・マック海軍中将は五省に感銘を受けて英訳を募集、アナポリス海軍兵学校(United States Naval Academy、USNA)に掲示されたそうです。
Five reflections
https://en.wikipedia.org/wiki/Gosei_(meditation)
至誠:Hast thou not gone against sincerity
言動:Hast thou not felt ashamed of thy words and deeds
気力:Hast thou not lacked vigor
努力:Hast thou exerted all possible efforts
無精:Hast thou not become slothful