読書

読書感想文|2022年10月

22年10月に完読した本は全9冊。
アウトプットと練習を兼ねた、備忘録的な読書感想文です。
※読書順です


『問いかけの作法 チームの魅力と才能を引き出す技術』安斎勇樹(著)

誰も意見を言わない「お通夜ミーティング」、あると思います。

自分も進行役の時に、問いかけても何も返ってこないことがよくあります…
そして誰も何も言わないなら自分で考えて決めてしまおう、となってしまうことも稀にあります。
「孤軍奮闘の悪循環」とはよく言ったもので、チーム、組織のよさを全く活用できてない状況ですね。

ということで「問いかけ」の仕方、投げかけ方で変わるのではないかなーと思っていたところで手に取ったのが本書です。

ミーティングの司会でもなんでも良いけど、自分が答えを出すのではなく、他人の才能を引き出すことが大事。
チームメンバーの魅力と才能を引き出し、チームのポテンシャル(潜在能力)を最大限に発揮させるためのひとつの技術。

ファクトリー型

トップダウン式。工程を分割して進めていくスタイルの「ファクトリー型」。
このカタチは、経営層が定めた問題を現場メンバーが解決していくスタイル。
チームの存在意義は「作業を効率的に分担する」ことなので、他工程の役割にまで踏み込んでの話ができない。できないというよりしたがらない(機能別組織、工程別組織)。

ワークショップ型

最近存在するひとつが「ワークショップ型」。
経営層の役割は、現場と対話しながら理想を探究すること。ミドルマネージャーのファシリテーションのもと、現場メンバーは自ら「問題」を発見し、自ら「解決策」を探索されることが推奨。

※どちらかが正しいとか、どちらかのみを採用する、という話ではない。ケースバイケースで使い分けやその比重を考えていくこと。


イソップ寓話にある「レンガ職人」のお話し。
よく3人目の視座・モチベーションの高さが引き合いに出されるが、注目すべきは1人目。

意味付けがなくても作業に没頭し続けることが出来る。よく言えば人間の環境適応能力の高さがある。
つまり、なぜそれをやるのか、作業の目的を感じられなくなっていても、手段そのものを続けること自体に没頭することが出来る。
手段に没頭するあまり、手段が目的になってしまうことがある

判断の自動化=固定観念。
目的の形骸化=目的と手段がずれたまま、手段が自己目的化し、なんのためにそれをやっているのか意義が感じられなくなっている状態。
「こだわり」を見つけて育てることと、「とらわれ」を疑い問い直すこと。


問いかけの基本定石

  • 相手の個性を引き出し、こだわりを尊重する
    • 相手に好奇心を持ち、こだわりの理由を掘り下げる
  • 適度に制約をかけ、考える切っ掛けを作る
    • 自由度が高すぎると取っ掛かりがつかめない。あえて足場を用意する
  • 遊び心をくすぐり、答えたくなる仕掛けを施す
    • あえてボツネタから探す。ex)社長にバレないように戦略を追加するとしたら?
  • 凝り固まった発想をほぐし、意外な意見を生み出す
    • 予定調和を崩す

問いかけ=パス
相手が答えやすいパスを出すこと。取りにくいパスを出さない要注意。

  • 例)なにか良いアイディアはありますか?
    •  何もない状態で「良い」アイディアと限定されると、答えるハードルが上がってしまう
    •  「今の状態は何点?」「100点にならない、足りないところはどんなところ?」「今あるものを一つ直すとしたら?」など、コンテクストを下げつつ、答えるハードルを下げてあげる

当たり前だけど、一度投げかけたらそれで終わりではない。
1対1でも多人数でも、投げかけた後にも話は続いていくわけで、絶えず状況の変化を捉えて(見立てて)、流れや次の問いかけを予想し考え(組み立て)、実際に問いかけ(投げかけ)していかなければいけない。

  • 問いかけのサイクル
    1. 見立てる
    2. 組み立てる
    3. 投げかける
  • 観察者を支えるガイドラインとして…
    1. なにかにとらわれてはいないか
    2. こだわりはどこにあるか
    3. こだわりはずれていないか
    4. なにかを我慢していないか

『陸上自衛隊ますらお日記』ぱやぱやくん(著)

脳筋たちが愛しくなるエピソード集|『陸上自衛隊ますらお日記』ぱやぱやくん

2022/10/11  

元陸上自衛官だった著者が、自衛官時代の日常を紹介している一冊。 「元自衛官による自衛隊の紹介本」とだけ聞くと、ミニタリー色が濃く専門用語が出てきたり、真面目で堅苦しい話しを想像するかたが多いと思います ...


『バナナの魅力を100文字で伝えてください』柿内尚文(著)

相手に話がうまく伝えられていないこと、公私問わずよくある話だと思います。

ウチも先日、仕事でメンバーから相談を受けたときのこと。
お互い在宅勤務だったので、まずはチャットで一報をもらいました。

対応方法やステップなど、一通りまとめて返事をした後に電話でフォロー。
説明と質疑応答を終えて「分かりました!」と、早速先方にメールで返事を送ってくれたのですが、念押しした一番肝心なところが抜けており…

伝えた=こちらが言った、伝わった=相手が理解した、の違いに改めて注意しないとなーと思った出来事があって反省しました。
(その後の対応も、最後までメンバーが頑張ってくれました)


そんな上で紹介したような失敗事例などを避ける、「伝えたいことが相手に伝わるための方法」を紹介されている一冊です。

ひとは伝わったこと(=理解できたこと)でしか判断できない、というのはその通りで、分かった範囲でしか行動することが出来ません。
思考や行動が、自分の中の知識や経験を超えて動くことが出来ないのと似ていますね。
(よく「一般社員に経営者目線を~」と聞きますが、少なくとも同等の情報を共有していないと、同じ目線には立てないでしょう?)

伝える際に気をつけることは、「言っても伝わらない」ことを前提とすること。
一度だけでは伝わらないし、かといって数回伝えたからと行って確実に伝わるとは限らない。

伝わらないことを前提に、どう伝えたら理解してもらえるかを考え、相手の反応を見ながら伝え方を変える(内容や方法を変える)こと。
相手の立場に立ち、やさしく伝える意識を持つことが大切です。


負の感情は簡単に伝わる

メラビアンの法則

  • 視覚情報=55%  見た目、しぐさ、表情、視線
  • 聴覚情報=38%  音質・音量・口調・テンポなど
  • 言語情報=7%  言葉の意味や内容

コミュニケーションは「言語コミュニケーション」と「非言語コミュニケーション」に分類されます。
例えば、受け取った言葉に対して、感情や態度が矛盾していた際、ひとは「視覚情報>聴覚情報>言語情報」の順番に優先して判断するそうです。

つまり、言葉で「怒っていない」と言っていても、不機嫌な態度や口調を取ってしまうと、相手に「怒っている」と受け止められてしまうということ。
相手にとってネガティブなことを伝える際には、自分の態度や口調にも気をつけてフィードバックすることが大切です。

また、公私ともに(プライベートのほうがありがちかもしれませんが)、間違っても「言わなくても分かってもらえる」という考えは捨てましょう

伝わる人が実践していること

コミュニケーションスキルが高い人は『自分の脳と空いての脳が見ている世界が違うということをしっかりと認識している人』

【挑戦】バナナの魅力を100文字で

バナナに含まれるブドウ糖は朝のエネルギー補給にピッタリ。また、幸せホルモン「セロトニン」の生成に必要な栄養素も全て含まれています。
慌ただしい朝でも手軽に食べることができ、何より美味しい!


『不安が希望に変わる!「ゼロ・リセット」マジック』Kenji(著)

思考に気をつけなさい。それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい。それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい。それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい。それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい。それはいつか運命になるから。

マザーテレサ

「夢が現実になる」は一部正解で一部間違い。
「思考が現実になるの」でなく、「潜在意識が現実になる」が正解。

日々の行動は顕在意識(自覚している意識)ではなく、潜在意識(無意識)で行うことが多い。
※無意識で行っている行動の殆どが潜在意識から

頑張っているのに上手くいかない。
上手くいかない現実を自覚し、上手くいかないことにフォーカスするあまり、潜在意識にも刷り込ませてしまう。
上手くいかないから無理、と潜在意識が覚えてしまうと、いくら顕在意識で思考しても、潜在意識が覚えているため変わらない。

変わろう、と思うのではなく、今を楽しもうと思考を変える。
日々の生活の中で安心感を感じ、気分を上げて現実を楽しんでいくこと。

過去はいままでの自分。変えられない。
不足しているものに目を向けるのではなく、充足に目を向ける。
過去の反省をするのではなく、今を生きる。今を心地よく、満足に生きる。

疲れた心を「ゼロに戻す」こと。
「ゼロ=ニュートラルの位置」を覚えておいて、いつでもその場所に戻れるようにすること。

そのために、
日常生活で選択するものは「自分の好き」で選ぶこと。
周りの目は気にしない。日々「心地よさ」に触れること。


『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』汐見夏衛(著)

高校生が主人公の恋愛小説。
マスクで本心を隠し「いい子」の仮面を被って過ごす主人公。
その主人公とは対比で、感情のままに本音で動くもう一人の主人公。

影響を受けながら少しずつ感情を開放していく主人公。
変わっていく主人公に「あともう少しだ!頑張れ!」と、読んでいて心のなかで声援を送っていました。

あと、読み終わる頃に気が付きました!
あー!なるほど!そういうことかー!と。
初めからサインが出ていたとは…盲点過ぎましたw

自分の人生は自分のために使うもので、誰かのためだけに使うものではない。
自分の感情を押し殺してまで、誰かに気を遣うものではない。
見返りがあるわけでもないし、そんな自分に気がつく人もいない。

周りのことを気にしすぎず、自分らしく生きていきたいものです。


『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』阿佐ヶ谷姉妹(著)

阿佐ヶ谷姉妹のお名前やご尊顔は存じておりますが、区別のつかない私。
お二人のエッセイや描き下ろし小説で構成されています。

エッセイはお二人の日常を飾り気なく綴られています。
おふたりが同居されていたのも知りませんでしたが、二人で暮らしていると「分かるなー」ということが多かったです。

描き下ろし小説も、想像以上に面白かったです!
短編で読みやすかったし、なによりも物語の情景が思い浮かびます。
小説家としても活躍できるんじゃないでしょうか?

皆さまからとても愛されていることがわかり、阿佐ヶ谷姉妹の魅力がとても詰まった一冊です。
読書中も読書中も、とっても心が温まりました(*´ω`*)


『今日も、感謝します』StylishNoob(著)

こちらはより著者のかたを存じ上げないのですが…

お母さまの教育方針が凄いなーと、同じ親目線で読んでしまいましたw
・人に迷惑をかけるな
・やりたいことは好きなように、好きなだけやりなさい

前者はよく聞くお話しですが、後者はなかなか難しいですよね。
やらないといけないこと。例えば宿題とかをやり終わった後ならそう言えますが、どうしても「まず宿題はやりなさい」とか言っちゃいますね…
甘やかしとの境界線は難しいですが、親の都合を押し付けることなく、接していきたいですね。(もう遅いかもだけどw)

子どもは子どもでもひとりの人間です。親の所有物ではありません。
子どもの考えや意見を尊重し、ひとりの人間として接していきたいです。

意見を言うべき場所で主張すること、むやみに相手に腹を立てないこと、ありのままの自分を出すこと。
これは著者のおっしゃる通り、ゲームに限らず一般的なことだと思います。


『日本海軍戦史入門』本吉隆(著)

高校~社会人なりたての頃、架空戦記から史実関連の本を読み漁りました。

それから約20余年。
研究が進んでいて、新説も多く聞くようになっています。
体系立てて改めて勉強しようと思って手に取った一冊です。

日本海軍の創設~解体までの77年の歴史を振り返っています。
明治維新後から日露戦争、太平洋戦争開戦までの建艦競争~軍縮時代。
そして太平洋戦争開戦後は終戦までの各海戦を紹介されています。

ひとつひとつがとても丁寧で分かりやすいです。
また近年の新説も盛り込まれており、過不足なく学習することが出来ます。
この本で足りないと思った箇所は、詳しい別書を当たればよいと思い、入門書としてはとても満足度の高い一冊です。

他にも書かれている本があるようで、そちらも手にとって読みたいと思います!


『超訳 老子の言葉 「穏やかに」「したたかに」生きる極意』田口佳史(著)

再読です。


  • この記事を書いた人
  • 最新記事

てんこ

40代シンパパ。マーケティングリサーチャー。小学校高学年で光栄「三国志」にハマり、「提督の決断」にも手を出し、高校時代から架空戦記が愛読書。戦記物が大好き。歴史大好き。バンドにもハマって今でもBassが心の友。空き時間で資格勉強中(取得済:メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種・Ⅲ種)。老後を見据えた趣味として、歴史に関する考察などを書いていきたいです。

-読書