22年8月に完読した本は全6冊。
アウトプットと練習を兼ねた、備忘録的な読書感想文です。
『アトミック・シンキング』 五藤 隆介 (著)
別の本でも読んだことがありますが、頭の中だけでなく「書いて」考える。
その重要性と違いについて、本書の中では例えに「将棋」が使われており、とても腑に落ちました。
頭の中だけで「考える」というのは、この目隠し将棋を指している状態と同じようなもの
脳の作り
頭の中にあるものを書き出すことで、「第二の脳」を作り上げる。
ひとの脳は一度に覚えておける情報は最大で7つ程度。
記憶したことも、20分後には42%、1時間後には56%、そして1日後には74%を忘れてしまうそうです。
以前の「第二の脳」は全てを覚えておくことが目的でしたが、本書の「第二の脳」は思考の拡張が目的。
「今考えていること」だけでなく、「今までに考えてきたこと」を並べることで、より整理された状態で考えられる。
アトミック・シンキング
アトミック・シンキングは「書いて考える」思考の整理法のこと。手順は以下の通り。
- 思ったことや考えたこと、学んだこと、覚えておきたいことなどを、とりあえず書き残しておく
- 『アトミック・ノート』を作成し、一つのノートにまとめていく
- アトミック・ノート=これ以上分解できない最小単位のノート
- ひとつの要素を、一つのノートにまとめる(タイトルと内容でひとつ)
- アトミック・ノート同士を整理し組み合わせていく
とりあえず書いたノートを、考えながら1つ1つのノートに分解。整理し組み合わせて考えていく。
最終目標、理想系の「アトミック・ノートの作成と整理」までスキルと習慣を身につけるには、一朝一夕ではない難易度と思いました。
千里の道も一歩から。まずは「書くこと/書いて考えることに慣れる」ことから始めようと思います。
書くことに慣れる練習
ノートは修正する・常に改善していくことを前提に書いていくこと。
とりあえず完成させることが重要で、繰り返していくうちに考えや表現が整理され、よりよい文章を作り上げることができる
効果的な勉強の方法と同じで、習慣化させることが近道。
日常の何気ない機会を「練習の場」と捉えて活用していく。
- フリーライティング
- 思い浮かんだイメージを文字化する練習
- 3~5分、とりあえず書く。思ったことを書く。何でもいいから書き続ける
- 書くことが思いつかない場合も、「思いつかない」など書く。手を止めない
- 書いたものを見直さない、消さない
- 日記
- 事実と感情を切り分けて書く
- 読書メモ
- 自分が面白いと思ったもの、興味を持ったものを、自分の言葉でまとめて書く
- コピペは禁止
一つ一つの文章やノートを丁寧に扱うこと。
自分で振り返る場合も、誰かに共有する際も、曖昧な言葉だと分からないし伝わらない。
まとめ
今まで手書きのノートを使用していました。
デジタルに比べ、書くスピードは遅いものの、手で書くことで記憶に残りやすいと思っているからです。
ただ、書いたものの活用しやすさはデジタルがアナログを上回ると思います。
特に検索性や、本書のように「リンクで組み合わせる」活用法はアナログでは難易度が高いです。
まずは書く練習と習慣化に向けた取り組みと、オススメされていた「obsidian」というフリーソフトを入れて、日々触ってみるところから始めています。
『センスは知識からはじまる』 水野 学 (著)
センスの良し悪しは「生まれ持っての才能」と捉えられがちです。
本書では、センスは生まれ持ってのものではなく、「知識の集積」であると説いています。
センスのよさとは数値化できない事象の良し悪しを判断し、最適化する能力である
事象の良し悪しを判断するために、まずは「普通」を知ること。
普通を知ることで、自分なりの判断基準が持て、物事の良し悪しの判断ができるようになります。
普通といっても、狭く浅い範囲でしか物事を知らないと偏った普通になる可能性があるため、物事を広く深く知った上での「普通」が必要。
また、思い込み・主観性も偏りを生じさせる原因になるため、客観的に情報・知識を集めていくことも重要です。
「誰もが見たことがないあっと驚くもの」が生み出される可能性は低く、生み出されたとしても、広く受容される可能性も低そうです。
再現性が高いものは「あっ!」と驚くものよりも、「へぇー、なるほどー!」と感心されるもの。
感心されるものは、恐らくみんなが気が付いていなかったけど、「あったら良いな、便利そうだな」と潜在的に思っていたもので、受け入れらる可能性が高くなりそうです。
効率よく知識を増やす3つのコツ。
①王道から説いていく
②いま、流行しているものを知る
③「共通項」や「一定のルール」がないかを考えてみる
- 王道から解いていく
- 定番・王道のものには愛され続けられている理由がある=最適化されている
- 最適化されている要因を特定・認識する
- いま、流行しているものを知る
- 「流行っている=センスが良い」とは限らず、一過性ではあるが、流行るからにはそれなりの理由がある=王道のものに足りないなにかがある?プラスオンされている?
- 「共通項」や「一定のルール」がないかを考えてみる
- 王道や流行のものを、分解したり解釈したりすることで、自分なりの知識として蓄積していく
『狼たちへの伝言』 落合 信彦 (著)
Amazon Unlimitedでオススメに入ってきた一冊。
1987~88年と、いまから約30年前に出版された本。
「落合博満」さんの自伝だと思い、カートに入れました。
(表紙の写真で気づけ!という気がします…)
登場するエピソードは時代を感じますが、書かれている内容や考え方は古さを感じさせないものが多いです。
国際視野や戦争観、情報価値などもそうですが、特に著者の生き様や考え方。
自伝の信憑性はさておき、読んでいて参考になり、また自分の中でも改めて意識したいことが幾つかありました。
自分を持つ
世間に流されない(流行に左右されない)
物にこだわる=自分自身の生き方にこだわる
世間や流行に流されずに、自分の価値観をしっかり持つこと。
やりたいことやりたくないことだけではなく、どうなったら自分が幸せかの軸を持つことが大切だと思います。
カッコいいかどうかなどは他人が判断することで、自分自身でカッコいいと思われることをしない。
自分が周りにどう見られているかは意識せず、自分のポリシーを貫いて生きること。
実力をつける
名刺が外れても実力で生きる
自分を追い込み血を流すことを恐れない
会社に所属していると、会社の名前が自分の実力だと思いがちです。
相手が敬意を払ってくれるのも、会社や肩書に対してであり、何もない自分に対して同じように接してくれるか?と考えると、即答で「No」でしょう。
与えられた仕事を与えられた分だけこなしているだけでは「普通」にしかならない。
実力をつける=会社を超えて通用する実力をつけるためには、いま以上に自分を追い込んで鍛えていく必要があるんでしょうね。
自分で限界を決めてしまう前に、いまより少しだけ高い目標を持ち、毎日チャレンジしていきたいと思います。
そして成果に対して十分な報酬がない、と思ったら次の道に進めるよう、まずは会社を儲けさせることが肝要です。
目的意識と継続
何事にも勝ち負けがあるように、目標に対しても勝ち負けがあると思います。
誰かと競い合うというという意味ではなく、自分自身に対して。
目標を達成できるかどうかは、自分との戦いでもあり、いかに自分に必要なことだと認識できるかどうか、意識と覚悟の問題だと思います。また目標を達成できなくて良かったとは思えないハズ。
例えば「試験に落ちたけど勉強して良かった」と、平静を保つためにそう思うことはあるでしょうが、心の底からは思えないでしょう。
その意味では「負けて良かった」は存在せず、「勝たないと意味がない」。
目的・目標は、必要性の有無を見定めて設定し、成し遂げる意思を持って続けていくことが重要だと思いました。
まとめ
一番気に入ったのは次の文章です。
若さというのは、人生における一定のステージではない。あくまでも精神(スピリット)だ。
75歳でも18歳の若さを持って『志』を抱いている人間もいるのだから、我々もそういう人間を目標としたい。
ロバート・ケネディの言葉ですw
年齢はあくまでステージの話。
年齢でひとを分別することなく、また自分も「もう」と達観することなく、まだまだこれからと思い続けていきたいです。
『言葉ダイエット』 橋口 幸生 (著)
別記事で書いています。
-
『言葉ダイエット』橋口幸生|鎧を脱いで自分らしく生きよう
2022/9/26
対人コミュニケーションが苦手で、そのなかでも特にテキストコミニケーションが苦手です。 仕事上、以前は「電話」「メール」が主なツールでしたが、コロナ禍以降は在宅ワークの広がりもあり、「チャット」でのやり ...
『リーダーの作法』 Michael Lopp (著), 和智 右桂 (翻訳)
読み直してから改めて感想文を書く予定です。
『図解 組織開発入門』 坪谷 邦生 (著)
読み直してから改めて感想文を書く予定です。